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松岡良明賞に岡山大病院土井原氏 乳がん治療専門医、9月に贈呈式

土井原博義氏

 山陽新聞社会事業団(松田正己理事長)は、がん撲滅に功績のあった個人・団体をたたえる「松岡良明賞」の本年度受賞者を、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)乳腺・内分泌外科の土井原博義教授(64)に決めた。山陽新聞社(同柳町)で9月6日、表彰状と賞金100万円を贈る。

 土井原氏は乳がん治療の専門医。2800例を超える手術に携わってきた。2011年からは、患部に専用の針を刺し、ラジオ波による高温でがんを死滅させ、乳房を温存する「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」を実施。現在は医療費の一部が保険適用となる「患者申出療養」として行っているが、症例を重ね、将来的な保険適用を目指している。

 08年に国立大病院では初めて設置された「乳がん治療・再建センター」のトップ。乳がん診断から治療、乳房再建までを一貫して担うセンターでは千例超の乳房再建手術を行い、患者のQOL(生活の質)向上に貢献している。

 セミナーや講演会を通じ、手術指導などに取り組み、専門医の育成や中四国地方の若手医師の教育にも尽力している。

 松岡良明賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設。その後、同社最高顧問の佐々木勝美氏、同相談役の越宗孝昌氏が各1千万円を寄託し、増額された。今回で26回目。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年07月04日 更新)

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