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花粉飛散量「06年は少ない」 備讃研究会が予測  昨年の2割程度か

過去10年間のスギ、ヒノキ花粉の総飛散量(グラフ)

 花粉症予防に取り組む医師、薬剤師、研究施設職員らでつくる備讃空中花粉研究会(名部誠代表)は今年の岡山県内のスギ、ヒノキ花粉の飛散量は少なく、飛散が始まる時期も二月下旬から三月上旬と例年より遅れると予測している。飛散量は“当たり年”となった昨年の二割程度と花粉症の人には朗報だが、「少量でも症状は出る恐れがある」と早めの対策を呼び掛けている。

 同会は毎年、飛散シーズン(二月一日~五月十日)に中国、四国地方の四十カ所以上で花粉の飛散量を観測。総飛散量(一平方センチ当たり)がおおむね三千個以上の年を「極めて多い」、千五百個~三千個を「多い」、千五百個以下を「少ない」と分類している。独自の計算では、今年の飛散量は千個前後とみられる。

 スギ、ヒノキ花粉は、花芽がつく七月の気温が高く降水量が少ないと雄花がよく育つため、翌年の飛散量が増えるとされる。津山市では一昨年七月は最高気温が三六・一度と高かったが、昨年七月は三四・四度とそれほど上がらず、降水量も平年以上あった。

 県内飛散状況の目安となる最近十年間の吉備中央町の花粉総飛散量の推移=グラフ=をみると、ここ数年は一年おきに増減。吉備高原医療リハビリテーションセンター(同町)内科・アレルギー科部長を務める名部代表は「花粉を多く出すと一時的に樹勢が弱まるのも(翌年の)花粉減少の一因」としている。

 同研究会は、医師に相談して早めの対策を取る▽マスクを着用する―などの対策をアドバイス。名部代表は「花粉予報に注意し、多い日には外出を控え、洗濯物を外に干さないなど、花粉を近づけない工夫をしてほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月28日 更新)

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