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接種2回目の方が筋肉痛や倦怠感 ファイザー製、県などが調査結果

 米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応について、岡山県などが独自に行った調査の最終結果がまとまった。年齢が若いほど発熱頻度が高く、1回目を終えた後よりも2回目の後の方が、筋肉痛や倦怠感(けんたいかん)、頭痛といった全身反応の出現割合が増加する傾向にあった。インフルエンザワクチンの副反応と比べ、より重いと感じている人が目立つ。

 調査は、接種を受けた県内5医療機関の医療従事者を対象に実施。延べ8599人(1回目4733人、2回目3866人)から得た回答を、岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が分析した。

 結果によると、全身反応のうち発熱を訴える人の割合は、1回目は全体の2・7%だったが、2回目は37・5%に急増。年代別では30歳未満が46・7%だったのに対し、60歳以上は11・1%にとどまるなど、若い世代ほど報告が多かった。倦怠感も1回目の24・3%から2回目は69・7%に増加した。

 2回目を打ち終えた人の74・5%は、より身近なインフルエンザワクチンと比較して、コロナワクチンの方が副反応が重いとした。2回目の接種後には61・1%が解熱鎮痛剤を使用し、10・5%は欠勤していた。

 妊婦や基礎疾患のある人と、そうでない人の間で、副反応の出現頻度に違いはなかった。

 頼藤教授によると、副反応がなくても、重症化を防いだり感染しにくくしたりするワクチンの効果は得られる。「副反応の多くは接種翌日か翌々日には落ち着く。個人にとっても社会にとっても接種のメリットの方が大きく、今回の結果を参考にしてほしい」と呼び掛けている。

 結果は、頼藤教授が所属する同大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野のホームページ(HP)で公開中。同大では米モデルナ製ワクチンの副反応についても調査を行い、結果を公表する予定という。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年08月03日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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