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前立腺がん(岡山赤十字病院) 診断・治療 主治医に相談、選択を

竹中皇泌尿器科部長

病期別の主な治療法

 高齢者の増加や食事の欧米化などで前立腺がん患者は増加しており、2020年には男性がん患者数では肺がんに次いで第2位になるともいわれる。とはいえ、「通常は他のがんに比べてゆっくり進行するため、早期発見できれば治しやすい」と岡山赤十字病院(岡山市北区青江)の竹中皇泌尿器科部長は説明する。

 初期には症状がなく、診断には血中のPSA(前立腺特異抗原)の値を測定する。少量の血液を採取するだけと手軽だが、前立腺肥大症などでも結果に異常が現れるため、肛門からの直腸診(触診)なども組み合わせ、最終的には生検(組織検査)で診断を確定する。

 基本的な治療法は、前立腺と精嚢せいのうを取り除き、尿道と膀胱ぼうこうをつなぎ合わせる手術(前立腺全摘除術)▽放射線治療▽薬や精巣の摘出によって、前立腺がんを増殖させる男性ホルモンの作用を抑える内分泌療法(ホルモン療法)―の三つ。年齢やがんの進行度、本人の希望を踏まえて治療方針を決める。

 治療後には尿失禁やED(勃起不全)などの副作用を伴う可能性があるが、治療法によってそのリスクは異なる。竹中部長は「治療法を選択する際には、『できれば性機能を残したい』などQOL(生活の質)やライフスタイルの面からもしっかり主治医に相談を」と呼び掛ける。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月03日 更新)

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