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岡山赤十字病院に開設 岡山市認知症疾患医療センターの機能 地域包括支援センターと連携 専門医相談、かかりつけ医研修も

 岡山市認知症疾患医療センターは、同市の高齢者相談窓口である地域包括支援センター(6カ所)と連携し、認知症の診断、治療に対応。専門医療相談のほか、かかりつけ医の研修会なども行い、地域保健医療の向上につなげる。

 同市では、高齢者の認知症に関する相談は包括支援センターに寄せられるが、介護分野の対応が中心だった。そこで精神科医療と連携し、患者や家族の医療支援を進めようと医療センターを設けた。

 医療センターは10月3日、業務を始めた。中島センター長以下、精神保健福祉士2人、臨床心理士1人の4人体制。包括支援センターからの紹介のほか、直接患者や家族からの相談なども受ける。

 相談は精神保健福祉士が対応し、家族の対処法、かかりつけ医を紹介するなど、10月は電話や面談で計10件を数えた。必要に応じて臨床心理士が患者に年月日、3単語の記憶力といった9項目を問う「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」などの心理検査を実施。中島センター長が診断し、院内やかかりつけ医へ治療を引き継ぐ仕組みを取る。

 岡山赤十字病院は精神科病床がないため、患者の緊急入院が必要な場合は慈圭病院(同市南区浦安本町)に受け入れを要請する。患者宅に近い他病院への入院にも対応するという。

 認知症疾患医療センターは、国が都道府県と政令指定都市を対象に2008年度から設置を推進。今月1日現在、37道府県と10政令市が設け、岡山県は本年度中に開設予定。

 このほか岡山市と県は今年6月、「認知症の人と家族の会県支部」に委託し、無料相談電話「おかやま認知症コールセンター」も開設。介護福祉士らの相談員が同市北区南方の県総合福祉・ボランティア・NPO会館内に常駐し、介護などの相談に当たっている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年11月21日 更新)

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