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名医 大活躍だワン 岡山県内 ドッグセラピー人気 緊張和らげ精神安定

ボランティアスタッフ(左)と話しながら犬と触れ合う患者=岡山あさひ病院

 犬との触れ合いを通して病気と闘う患者らに精神的な癒やしを施すドッグセラピーが、岡山県内で人気を呼んでいる。効用が知れたことなどが理由で、児童・老人福祉施設や病院への活動が拡大し、主役のワンちゃんはひっぱりだこ。飼い主らは「犬と触れ合ってもらうことで、患者さんのストレスを少しでも和らげたい」と張り切っている。

 岡山あさひ病院(岡山市奥市)は三カ月に一度の割合で動物の訪問活動を実施。二月二十一日に開いた訪問活動にはリハビリ患者ら約二十人が参加し、犬ののどや頭をなでたり声を掛けたりして触れ合った。

 患者の女性(86)は「どの犬もかわいくておとなしい。心が安らぎ、リハビリへの意欲もわきます」とほほ笑みながら話した。

 ドッグセラピーはアニマルセラピー(動物介在療法)の一つで、動物と触れ合うことで緊張感を和らげたり、精神に安定をもたらすとされる。よくしつけられたゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーが多いという。セラピー活動には獣医師とボランティアが付き添い、犬に触れてもらったり、ボール遊びをして交流を深める。

 岡山県内では、日本動物病院福祉協会(事務局・東京)の指導を受けたアマノ動物病院=岡山市大福=の天野達也院長(50)と、やさか動物病院=岡山市矢坂東町=の大石みちの院長(45)を中心に一九九〇年から活動を開始した。

 現在はボランティアのメンバーら約二十人が月に一度、岡山市内の福祉施設や病院を定期的に訪問し、三十分程度触れ合い活動を行っている。活動を始めたころは認知されず、効用を説明して回ったが、今は訪問に来てほしいという要請が来るほどという。

 天野院長は「リハビリに苦しむ患者さんや障害児が明るい表情を見せてくれるのがうれしい」と言い、岡山あさひ病院の鼠尾祥三院長(63)は「認知症患者の表情が緩んだり、触れ合いの中で手足を動かすこともリハビリとなる。心のケアを行う犬は名医ですね」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年03月02日 更新)

タグ: 健康福祉

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