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重要性増す訪問看護 予防からみとりまで ライフスタイル尊重 岡山県訪問看護ステーション連絡協議会 山谷 冨美枝会長

「質の高い在宅療養の実現に貢献したい」と語る山谷会長

 看護師らが病気や障害のある人たちの住まいを訪れてさまざまなケアを提供し、療養生活をサポートする「訪問看護」。医療・介護の分野でともに在宅重視の流れが強まる中、その役割に期待が高まっている。岡山県訪問看護ステーション連絡協議会会長を務める山谷冨美枝・県看護協会会長に話を聞いた。

―高齢化や平均入院日数の短縮化を背景に、医療依存度の高い患者らの在宅療養を支える柱の一つとして、訪問看護の重要性が増している。

 自宅で療養するとなると、「何かあったらどうしよう」「家族だけで世話ができるだろうか」と大きな不安がつきまとう。そんな患者さんやご家族が安心して暮らせるよう、ライフスタイルを尊重しながら、予防からみとりまで支援を行っている。認知症、脳梗塞で寝たきりとなったお年寄りや人工呼吸器を付けた子どもさんなど、医師が必要と認めた人なら年齢を問わず、介護保険利用者でも医療保険利用者でもサービスを受けられる。

 ―内容も幅広い。

 胃瘻(いろう)や排尿のためのカテーテル、在宅酸素、人工呼吸器の管理、点滴、褥瘡(じょくそう)(床ずれ)ケアといったかかりつけ医の指示の下での医療的処置・管理をはじめ、病状の観察、食事・排せつ・清潔(入浴など)に関する援助、リハビリテーション、終末期ケア、家族の相談など、対象範囲は日常生活全般に及び、緊急時の対応もある。医師やケアマネジャーなどとも連携して当たっている。

 ―一層の利用や関係機関の連絡調整に向けて、昨年9月には県内全域をエリアとした電話相談窓口「訪問看護コールセンターおかやま」(086―238―7577=月〜金曜日午前9時〜午後5時半)が開設された。

 県内に111カ所(3月1日時点)あるステーションや、訪問看護を行う医療機関などの情報を集約し、利用や受け入れなどに関する相談に応じている。2月末までの電話件数は延べ148件だった。今のところ関係機関からが多いが、患者さんやご家族から「退院することになったが、在宅療養はどうすれば良いか」といった問い合わせも増えている。今後も地域に信頼される看護職、ステーションを増やし、医師や介護職と患者・家族との間をつなぐ存在として、質の高い在宅療養の実現に貢献していきたい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年03月19日 更新)

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