文字 

川崎医大付属病院ドクターヘリ 運航時間拡大 自治体要望受け 救命増に期待

4月から運航時間が拡大された川崎医科大付属病院のドクターヘリ 

 川崎医科大付属病院(倉敷市松島)のドクターヘリの運航時間が、4月から30分拡大された。県内自治体から出された活動時間拡大の要望に応えたもので、救命件数の増加が期待される。

 従来の運航時間は午前9時~午後5時。同乗する医師の勤務時間などに合わせて開始を30分早め、午前8時半からとした。

 ヘリは交通事故などの重篤患者を迅速に搬送する狙いで2001年4月、全国に先駆けて導入。消防本部や病院の要請を受けて出動し、医師が現場や機内で緊急処置を行い、救命救急センターに指定された病院などに運ぶ。県内全域に30分以内で到着でき、年間400回以上出動している。

 高梁、新見市など救命救急センターのない地域から夜間運航を求める声が上がり、市長会が09年と11年、県に要望書を提出した。運航経費は国と県が年間約1億円ずつを補助しており、同病院や県、警察、消防などで構成する調整委員会で検討。安全・経費面などで夜間運航は難しいものの、業務委託しているヘリ運航会社が費用負担し、時間拡大が実現した。

 荻野隆光同病院高度救命救急センター副部長は「従来より消防側も出動要請しやすくなり、より多くのヘリを必要とする患者を救えるだろう」と話し、県医療推進課は「山間部や離島などで力を発揮し、地域の安心確保につなげてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年05月27日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ