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脳死肺移植 岡山大で8例目 中国地方の20代女性へ

 富山県立中央病院で二十六日、脳血管障害のため入院していた患者が臓器移植法に基づく脳死と判定された。両方の肺は岡山大病院(岡山市鹿田町)で午後九時ごろから中国地方の二十代女性に移植され、手術は二十七日未明に及んだ。同病院での脳死肺移植は今年一月に続き八例目。

 岡山大病院によると、女性患者は心臓から肺につながる肺動脈で血液が流れにくくなり、心臓と肺の機能障害を起こす原発性肺高血圧症。二〇〇三年十二月、日本臓器移植ネットワークに登録した。

 肺は富山空港から岡山空港までチャーター機を使い、同病院に搬送された。

 臓器を提供した患者の性別や年代は家族の意向で公表されていない。心臓は国立循環器病センターで二十代女性、肝臓は名古屋大病院で三十代女性、膵臓(すいぞう)と片方の腎臓の同時移植は大阪大病院で五十代男性、残る腎臓は富山県立中央病院の四十代女性に提供された。小腸は待機患者がいなかった。

 肺については、岡山大病院の別の患者がいったん候補になったが、医学的理由で見送られた。

 同ネットワークによると、臓器移植法に基づき脳死と判定されたのは四十五例目で移植は四十四例目。二十一日、二十五日にも実施され、一週間に三回の脳死移植は一九九七年の同法施行以来初。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年03月27日 更新)

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