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健康な赤ちゃん産もう 岡山で山陽新聞医療セミナー 栄養管理や不妊治療 カップルらに助言

妊娠前に役立つ情報などを紹介する、左から澤井、中西、別府、吉岡医師

 健康な赤ちゃんを産むためには、栄養管理はもとより、不妊治療のタイミングや出産の支援制度の有効活用など準備を幅広くしていくことが欠かせない。「妊娠前から知っておきたいこと」をテーマにした第五回山陽新聞医療セミナー(山陽新聞社主催)が三月中旬、岡山市奉還町の岡山国際交流センターで開かれ、四人の女性医師が、詰めかけた約百七十人のカップルらにさまざまな観点からアドバイスした。

 多くのお母さんが気を付けるのが普段の食事。肥満ややせ過ぎは、どちらも胎児にいい影響をもたらさない。倉敷中央病院の別府理子医師は「妊娠期間を通して体重増加が七キロ未満だと低体重の子の出産、肥満だと合併症や巨大児の出産などのリスクがそれぞれある」と指摘した。

 誤った情報で、妊娠中に必要な栄養分を取りすぎたり、不足したりするケースがある。

 代表的なのがカルシウム。「赤ちゃんの成長に必要」と考えて多く取りがちだが、別府医師は「妊娠によって吸収率が上がるので普段通りの量で賄える」と説明。また、体に蓄積しやすいビタミンAの過剰摂取もリスクがあり、「レバーやウナギなどを毎日食べることは控えて」と呼び掛けた。

 逆にしっかり取る栄養分は鉄。「肉類だとかなり多めに食べる必要があるので、シジミやアサリなどの貝類、海草類で補うのが効率よく摂取できる」とした。葉酸は妊娠前や妊娠初期に摂取すると良く、イチゴやオレンジ、納豆などで効率よく取ることを勧めた。

 早く子どもを授かりたいと思っても、なかなかできない時には不妊治療も選択肢の一つ。いつごろから受ければ良いか。

 岡山二人クリニック(岡山市津高)の吉岡奈々子医師は、流産率が三十五歳を過ぎると、20%を超えることなどから「三十五歳ぐらいまでに受診するのがベスト」とした。病院選びとしては、通いやすさ▽治療成績を公開している▽男性の検査・治療もしてくれる―などの点を挙げた。

 このほか、岡山済生会総合病院の澤井倫子医師は、医療費の控除や労働負担の軽減などが図れる各種制度を紹介。国立病院機構岡山医療センターの中西美恵医師は胎内感染症など将来の危険を回避するために有効な血液検査について説明した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年03月28日 更新)

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