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福山市民病院 来月から緩和ケア 最期を人間らしく 個室10床と家族室 在宅支援や電話相談も

緩和ケアを受ける患者のため、福山市民病院に設けられた病室

 福山市民病院(福山市蔵王町)は、人間らしい最期を望む末期患者の意思を尊重し、体や心の苦痛を和らげる治療を中心にした緩和ケア科を開設、四月から運営を始める。個室病床十床を備えた病棟を整備。自宅や地域で最期を迎える在宅緩和ケアの支援へ、地域の開業医、訪問看護師らとの連携や相談などにも取り組む。

 緩和ケアでは、治癒が困難な場合、「生活の質」を高めるため延命治療は最小限にとどめ、病気の進行や痛みを抑える薬の投与や治療が中心となる。死への不安を抱える患者本人や介護する家族への精神的な支えも重視するのが特徴だ。

 医師や看護師のほか、薬剤師や栄養士、ソーシャルワーカーら多くの関係者が緩和ケアにかかわるため、福山府中地域の関係機関の連携強化へ二〇〇四年、連絡協議会を結成。専門病棟は市内で二院目となる。

 同病院は昨年四月の救命救急センター開設に向けた増改築に合わせ、緩和ケア用の個室病床を整備。昨年十月、医師や看護師、薬剤師らによる院内チームをつくり、患者の受け入れ準備を進めてきた。

 病室はいずれも個室で十室のうち四室に台所を設置。病棟にも共用の台所や和室の家族室を設け、患者と家族が落ち着いた気分で過ごせるよう配慮している。

 自宅で過ごすことを望む患者のためには、地域のかかりつけ医や訪問看護事業者と連携。容体急変時や介護疲れの家族のケアへ、一時的に入院し症状が落ち着いた時点で再び在宅に戻す短期入院も受け入れる。

 また、緩和ケアについて患者や家族らからの電話相談も始める。

 古口(こぐち)契児(けいじ)緩和ケア科長(49)は「患者の意思を尊重し、病院で最期をみとるだけでなく、自宅など住み慣れた所でも過ごせる地域緩和ケアの支援も進めたい」と話している。電話相談は月、金曜の午後二~五時で事前予約が必要。問い合わせは同病院(084―941―5151)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年03月30日 更新)

タグ: 健康医療・話題

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