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冬場の筋力トレーニング 冷え防ぎ基礎代謝向上

山下裕絵さん

 冬場は体を動かすのがおっくうになりがち。寒さの増す時期、室内で足腰を鍛えられる筋力トレーニング(筋トレ)法について岡山県南部健康づくりセンター(岡山市北区平田)健康推進課の運動指導員山下裕絵さんに聞いた。


 筋トレ効果で一番に挙げられるのは筋力の維持・向上だが、筋肉を鍛えることで腰痛や膝痛を予防したり、骨の強化にもつながる。冬場に筋トレを行うと、筋肉への血流が良くなり体温は上がりやすくなる。「代謝が悪くなる“冷え”を予防、基礎代謝の維持・向上も期待できる」と山下さん。年の瀬へ向けて忘年会、クリスマスと食べる機会が増える時期、「体重が気になる人にも筋トレはお勧めです」。

 山下さんは4種類の筋トレ=イラスト参照=を紹介してくれた。

 カーフレイズは普段特に運動をしていない人でも手軽に行える。その場でかかとを上げ下げし、腓腹筋(ひふくきん)(ふくらはぎの筋肉)を鍛える。椅子の背もたれや机に手を置きながら行うと、バランスを取りやすい。

 筋トレの定番、スクワットは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)(太ももの表側の筋肉)と大殿筋(だいでんきん)(お尻の筋肉)を鍛える。腰を下ろしていくときの膝とつま先の位置関係が大事だ。「つま先より膝が前に出るのは、一番やりがちな間違ったフォームです。大腿四頭筋ではなく膝に負担がかかるので要注意」

 スクワットに慣れたらランジへ進む。ランジは立った姿勢から足を1歩前へ踏み出し、再び立った姿勢に戻る一連の動作で、大腿四頭筋と大殿筋を鍛えるトレーニング。前側の膝を曲げ過ぎず、後ろの膝を床に近づけるイメージで行うとよい。

 カーフレイズ、スクワット、ランジとも、ゆっくりとした動作で行う。血圧上昇を防ぐため呼吸は止めない。「冬場は特に注意が必要です。『息を吐きながら』と呼吸を意識して行ってください」。筋トレの回数は1セット10~15回、1日に2~3セット、隔日か疲れがなければ毎日でも行うとよい。

 お尻歩きは腹筋と背筋のバランスを良くし、腹斜筋(ふくしゃきん)に負荷をかけウエストの引き締めにも効果がある。ゆっくりとお尻を持ち上げ、じわっと前後に移動する。畳1畳分の距離を1日3~5往復すればよい。

 山下さんは「日常生活の動作にプラスする形で筋トレを行ってください」と助言する。歯磨きのときに洗面台に手を突いてカーフレイズ、テレビ番組のCMの間にお尻歩きといった具合。「楽しく無理なく安全に続けることが大切」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年11月19日 更新)

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