文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 拡大教科書作ろう 岡山・弱視児童の親グループ 「理科」試作に挑戦 年内完成目標

拡大教科書作ろう 岡山・弱視児童の親グループ 「理科」試作に挑戦 年内完成目標

拡大教科書のレイアウトを相談する岡山拡大写本の会のメンバー

 岡山県内の弱視の子どもの親たちが、文字や絵、図を通常より大きくした拡大教科書づくりに取り組むボランティアグループ「岡山拡大写本の会」を結成した。実用化に向け技術の習得に励んでいる。

 拡大教科書は、矯正視力がおおむね〇・三以下の子ども向け。視力に応じて文字の大きさが約一~二センチと通常の約二~八倍。個々が最も見やすいようレイアウトし、通常の教科書をルーペで見るより使いやすいという。

 自己負担だった一般の小中学生向けの拡大教科書は、二〇〇四年度から国が無償で提供。ただ、製作に手間や費用がかかるため作っているのは一部の出版社やボランティアに限られ、需要をまかないきれなかった。

 このため、県内の弱視の子どもの親の会「ホワイトリボン」の代表橋本泰子さん(37)=岡山市目黒町=が、地元でのグループづくりを発案。岡山ふれあいセンター(岡山市桑野)で昨年十一月から開かれた講座を受けるよう、親の会会員や知人らに勧め、今年一月中旬の閉講時に、メンバー八人で県内では「くらしき拡大写本の会」(平敏子代表)に続く二団体目を結成した。

 試作品として、絵や図が多く最も難しいとされる小学生向けの理科の教科書づくりに挑戦。年末までの完成を目標に、メンバーは同センターや自宅などで統一されたモデルの文字を手書きで写したりパソコンで作る作業や、弱視の子どもに意見を聞きながら見やすいレイアウトづくりに取り組んでいる。

 橋本さんは「拡大教科書が欲しくても手に入らない子どもはたくさんいる。より多くの人に拡大教科書の必要性を理解してもらい、手伝ってほしい」と話している。問い合わせは、岡山ふれあいセンター事業係(086―274―5151)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年04月05日 更新)

タグ: 福祉子供医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ