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今年は岡山労災病院が新しく生まれ変わります。 岡山労災病院 病院長 清水信義

 昭和30年の高度成長期に、新興工業地帯で働く人達の健康を守るため内科、外科、整形外科の3診療科30床で開設された岡山労災病院が、60年近い発展の歴史の中で今年はほぼ全面的な増改築を行い、358床、20診療科の新しい病院として出発します。4月20日には晴れて竣工式を執り行い5月からは名称も優しく「岡山ろうさい病院」として出発します。病床数は現在とほぼ同じ358床ですが、個室を30%近くに増やし、ICUを10床に、更にHCU8床を増設します。

 1階2階は外来部門となりますが、新しい病院では、屋内デザインにも力を入れ、外来は色分けしたゾーニングにより分かり易い誘導が出来ると思います。3階の手術室も部屋毎にカラーデザインを取り入れる予定です。4階からの病室は、エレベーターホールを中心に、左右を「陽の広場」と「緑の広場」に分け、自然のアートを取り入れた病棟のデザインにします。内視鏡室、化学療法部門などを拡大いたします。

 屋上庭園を設け憩いの場所とし、最終的な整備では、病院周囲に河津さくらの並木を作り、周囲の環境にマッチした児島湖花回廊の一辺を担います。これらの病院の環境整備には、地域に親しまれる病院として、地元有力企業の協賛も得られることになっています。

 病院機能の面では、新病院では新たに電子カルテを導入します。さらに今回は、放射線治療用リニアックを更新し、CTそのほか多くの診療機器の新規導入や更新を行い、診療機器については大幅な更新をいたします。岡山市南部地域の中心的な医療機関としてその役割を果たすことが出来る新しい病院となります。

 「岡山ろうさい病院」の第一の役割は地域の皆様の健康を守ることです。24時間の救急体制は勿論ですが、ドック検診や生活習慣病などの予防医療から、5疾病5事業としての、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患などは診療体制も強化し地域の要請に対応してきています。

 また「岡山ろうさい病院」は、その創設当初からの役割として、勤労者を支援する医療を大きな役割として担ってきました。すなわち、働く人々の疾病の予防、早期発見、治療、リハビリテーションを適切に行い、職場と連携して早期の職場復帰、そして疾病と職業生活の両立を促進することです。働く人々の健康の保持・増進から職場復帰に伴う就労に対する医学的支援に至る総合的な医療を実践すること目指します。

 特に今後も増加するじん肺やアスベストなどの職業病や、最近増加している働く人のメンタルヘルスなどの勤労者医療にも大きな役割を果たして行きます。労働人口の減少する中で、働く人達の早期の職場復帰を進めることも我々の病院の特色です。新しい病院では、各診療科が協力して各々の役割を果たしていきます。

 当院の医療スタッフは比較的異動が少なく長年優秀な人達が定着して診療に従事していますが、今回の病院の改築を機に気持ちを新たに一層の地域医療に貢献したいと思います。

 「岡山ろうさい病院」にとりましては、今年は大きな希望の年になります。どうか宜しくお願いいたします。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年01月01日 更新)

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