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岡山大生 胚培養士を目指し実習 岡山の医療機関

顕微鏡を操作する平田さん(右)を真剣な表情で見つめる学生

 不妊治療での体外受精などを担う胚培養士の育成に向け、岡山大農学部が国内で初めて設けた「生殖補助技術キャリア養成コース」履修生の実習が、岡山市北区津高の岡山二人クリニックで行われている。2月1日までの5日間、不妊治療の最前線に触れる。

 同学部4年生2人が参加した。同クリニックでチーフを務める胚培養士・平田麗さんらが日常的に行う、顕微鏡を使い卵細胞に精子を直接入れる「顕微授精」といった業務を見学。精液検査や精子の凍結保存なども体験した。長池未郷さんは「動物と違い、絶対に失敗できない緊張感がある。今春から大阪の病院で働くことになっており、今回の経験を生かしたい」と話した。

 同コースは計8人が履修し、実習は必修科目。他の3人は2月4日から5日間、岡山、倉敷市内の3医療機関で実施。残る3人は2013年度に行う。

 同大によると、国内では晩婚化などで夫婦7組のうち1組が不妊とされ、少子化の一因になっている。一方、医療現場では、関連学会認定の「胚培養士」ら生殖補助技術者が治療を支えるが、多くは農学系学部出身者で、体系的な教育を受けておらず、岡山大は同コースを12年度に開設した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年01月31日 更新)

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