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早起きのススメ 万成病院理事長・院長 小林建太郎

 私は朝が早い。午前3時半には起きる。驚かれるかもしれないが、習慣になっている。4時からは民放のニュース番組を見て一日の動きを知る。Nアナウンサーはいろんな面で素晴らしいと思う。その日の段取りを頭に入れて、ひと仕事。この時期、早朝は寒いが頭は冴(さ)えており、じゃまも入らず集中できる。医学的にみても、脳の働きは午前中が活発で午後からは能率が落ちていく。

 朝食を済ませて、6時すぎには病院へ。夜勤の申し送り簿に目を通して、主だった病棟の詰め所回診を行い、メールをチェックした後、ラジオ体操、朝礼、医局会議に臨んでいる。

 その日の仕事を効率的かつ順調に進めるためには、その準備・段取りが大切であり、自身の仕事・病院としての流れ・世の中の動きの把握が必要となる。

 某有名コンサルタントのホームページに「社員の出勤時間が遅い会社は、いくら指導しても良くならない」「社長が朝7時半までに出社する会社でつぶれたケースは一社もない」と書かれてあった。もちろん人には個人差があり、それぞれの生活環境もあるので一概に朝型を勧めるわけではないが、段取り上手にはなってほしい。

 新しい年が始まった。新年を迎えるに当たり、新しい目標を立てた人も多いだろう。残念ながら、このところの日本はどんよりした 閉塞(へいそく)感が漂っている。先が見えにくく変化が求められる時代に、自分自身も変わっていかねばならない。ただ何を変えるかを考えるうえで重要となるのは、何を変えてはいけないかをしっかり自己認識することであろう。自分のストロングポイントを見失った変化は退化でしかない。

 世の中には変えてはいけないものがある。

(2013年1月10日付山陽新聞夕刊「一日一題」)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年01月10日 更新)

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