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ヘリポート運用開始 福山市民病院 備後の医療施設で初 「三次救急」に活用

運用が開始された福山市民病院のヘリポート

 救命救急センターに指定されている福山市民病院(同市蔵王町)で10日、緊急時に患者を空路搬送するヘリポートの運用が正式にスタートした。備後地方の医療施設では初で、同病院は「離れた場所での救急患者にも素早く対応できる」と山間部や離島での活躍に期待を寄せている。

 ヘリポートは病院の北東約百メートルの駐車場用地を転用。広さ約千四百五十平方メートル。発着場は赤色で塗られ、上空からよく分かるデザインとなっている。病院の敷地では最も高度が高く、周辺の騒音にも配慮した。

 同病院で緊急手術の必要な重篤患者の受け入れを二十四時間体制で行う「三次救急」が昨年四月に始まったのに伴い、市が総事業費約五千八百八十万円をかけて整備、今年三月に完成した。

 広島県東部には、走島や因島沖の離島のほか、神石高原町などの山間部があり、川崎医科大付属病院(倉敷市松島)、県防災(三原市本郷町)のヘリが主に搬送を担う。北部の病院からの転院搬送にも高い効果を発揮する見込み。

 これまでは約七キロ離れた芦田川の河川敷(同市水呑町)をヘリコプターの発着場所としていたが、病院までの所要時間が十五分程度かかり、ほとんど使用はなかった。

 県東部の消防局と、連絡や搬送ルートなど救急体制の話し合いを進めており、今月中に福山、府中市など八医師会に周知する。

 同センターがスタートして丸一年。昨年六月には山陽自動車道福山東インターからう回せず直接搬入できる道路利用が始まるなど時間短縮のための施設整備が進む。十日はヘリポートの利用はなかったが、小川雅朗事務部長は「今後、地震などの災害時にも力を発揮するはず」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年04月11日 更新)

タグ: 医療・話題

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