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風疹患者急増 08年以降最多 岡山県内、20―30代中心

 関東、近畿地方を中心に風疹(ふうしん)がまん延する中、岡山県内でも岡山、倉敷市などで感染が急増している。今年の患者は最新分の4月28日までに19人。感染症法に基づきすべての患者の報告を医療機関に義務付けた2008年以降で、既に最多となっている。ゴールデンウイーク(GW)中に流行地域を訪れた人らが感染を拡大する懸念もあり、県が警戒を強めている。

 県健康推進課によると、患者は男性15人、女性4人。4月だけで昨年1年間(6人)を上回る7人の患者が確認された。20―30代(12人)が6割以上を占めたが、この年齢層は、予防接種が集団から個人接種に切り替わる端境期とあって接種率が低下。免疫を持たない人が多い。今年も、少なくとも9人が予防接種を受けていなかった。

 地域別は岡山市が11人と最も多く、倉敷市5人、備前保健所管内2人、備中保健所管内1人。飛沫(ひまつ)感染のため、市街地で流行が広がる傾向にあるという。

 風疹は成人が感染すると、長期化、重症化する上、妊婦の場合、新生児が難聴や白内障、心疾患などの「先天性風疹症候群(CRS)」になる危険性が高い。1999年度以降、全国で報告された27例のうち、県内は3例だった。

 国立感染症研究所によると、全国の今年の累計患者は5千人を突破し、東京都や大阪府、兵庫県などでは例年の数十倍ペースで推移。潜伏期間が2―3週間あることから、流行地域との行き来が活発となったGW後に発症する人が相次ぐことも予想される。

 県健康推進課は7日、ホームページで詳しい症状や県内の感染状況を公開。「妊娠中は予防接種できないだけに、流行の中心の成人男性をはじめ、妊婦の家族や未婚女性は接種を検討してほしい」と呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年05月10日 更新)

タグ: 健康お産感染症

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