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メディカルフィットネスでの運動 有酸素運動を効果的に 心臓病センター榊原病院 リハビリテーション室 理学療法士主任 湯口聡

湯口聡・理学療法士主任

【写真1】サーキットトレーニング【写真2】プールでの運動

 健康のために運動するのが非常に良いということは誰もが知っていますが、長続きしないのが現実ではないかと思います。その理由はいくつかありますが、「ジョギングなど強めで疲れるくらいの運動をしないと効果がない」という理由から、きつい運動を続けることにだんだんと消極的になってしまうことがあるようです。

 確かに、何かの競技でより良い結果を出すには、体に無理を強いる運動をして体を鍛えないと結果を出すのは難しく、基本的に無理をしないと競技では勝てません。しかし、そのような運動の方法は、現在注目されているメタボリックシンドローム(メタボ)の改善や脳卒中・心筋梗塞の引き金になる動脈硬化(血管が硬くなって血液の流れが悪くなる)を予防・改善する運動とはまったく違うものです。

 人が運動をするとき、体では運動の強さに応じていろいろな変化が起きます=図1参照。軽い運動をしているときには、人は「有酸素運動(酸素をたくさん使う)」で動いており、体に無理がなく、いつまでも動ける状態です。具体的な運動として、ウオーキングや自転車こぎなどがあります。しかし、だんだんと強い運動になると、ある強さを超えたとき「無酸素運動(酸素をあまり使わない)」で動くようになり、酸素不足となって体が無理をするため、息切れや疲れが起こり、長く動くことができなくなります。例えば、気張るような強い筋力トレーニング(筋トレ)や短距離走などの運動です。

 実は、動脈硬化、高血圧、糖尿病やメタボ対策の運動は有酸素運動で行う方が効果的で、脳卒中や心筋梗塞になってしまった方の再発予防の運動としても理想的です。有酸素運動はその人の体力の約半分くらいの強さで「少しきついけどまだまだできる」「少し汗ばんできたかな」と感じるくらいで、週に3回以上、1回30分以上行えば効果があり、多少休んでもいいから継続することが大切です。

 メディカルフィットネスでは体力に応じて運動コースや内容を、有酸素運動がさらに効果的になるように設定しています。代表的なトレーニングとして「サーキットトレーニング」があります=写真1参照。この運動は有酸素運動であるステップ運動と無酸素運動である筋トレを繰り返しながら行う方法です。筋トレによって代謝が活発になり、効果的な代謝が早く起こります。筋トレは無酸素運動ですが、運動の強さも血圧が上がりにくいように設定していますので、それほど強くなく、非常に効果的に運動ができます。

 また、プールでの運動も行っています=写真2参照。水中では関節への負担が少なく、陸上の運動よりも消費カロリーや代謝が高く、水の抵抗で適度に筋肉も鍛えられて効果的です。その他にもいろいろな運動があり飽きにくく、専属トレーナーにも気軽に運動の相談ができるので、運動が継続しやすいようになっています。運動がなかなか続けられないとお悩みの方は一度見学してみてはいかがでしょうか。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年05月20日 更新)

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