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「アルツハイマーの母・・・」連載 野田さん、岡山で講演 募る閉塞感、耳傾けて 介護者の立場で理解訴え

介護者心理について講演する野田さん

 「介護者は話したいことを山ほど抱えている。家族や周囲が耳を傾けて」―。本紙朝刊くらし面に「アルツハイマーの母を支えて 中年息子の介護記」を連載しているフリーライター野田明宏さん(50)=岡山市=が、同市中山下の岡山県男女共同参画推進センターで開かれた「男女で学ぶ介護講座」で講演。介護者の立場で、閉塞(へいそく)感の募る在宅介護について周囲の理解を訴えた。

 高齢者介護をテーマに執筆活動していた野田さんは、二人暮らしの母(79)が二〇〇二年にアルツハイマー病と診断されて以来、男手で在宅介護。その様子を記した連載が大きな反響を呼んでいる。

 母は現在、介護保険で最重度とされる要介護5。それでも野田さんは「一時、能面のように表情がなくなっていたのに、最近はよく笑う。三五キロを割った体重も二キロ増えた。これからも二人で踏ん張れそうだ」と、介護を続ける意欲を示した。

 一方、「介護が一番きつかったのは母の状態が不安定だった要介護3から4のころ」と振り返った。母のいとおしさ、介護の肉体的つらさ、先の見えない不安…。揺れる心理を率直に打ち明け「思わず母をたたいてしまい、自己嫌悪に悩んだこともある」と話した。

 その経験から、周囲が“支え手を支える”大切さを強調。自身も朝夕、送迎に訪れるデイサービス職員から「ゆっくり休んで」と言われ気持ちが救われたという。併せて「介護者も隠し事をしないで」とアドバイス。約百三十人の受講者が聞き入った。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年04月24日 更新)

タグ: 脳・神経介護高齢者福祉

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