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1型糖尿病、教職員の理解訴え 岡山の家族会が研修会

昨夏、初めて開かれた教職員向け研修会。約150人が1型糖尿病の特徴などを学んだ=岡山赤十字病院

 「1型糖尿病」の子どもと家族でつくる岡山小児糖尿病協会(鈴木正博会長、約50人)が、学校園の教職員向けの研修に力を入れている。症状をコントロールできていれば普通の生活ができ、運動に支障もないのに病気への理解不足から、つらい思いをする子どもが後を絶たないため。22日は午後1時半から岡山赤十字病院(岡山市北区青江)で研修会を開く予定で、積極的な参加を呼び掛けている。

 国内の糖尿病患者は9割超が肥満などで徐々に症状が悪化する2型。1型は膵臓(すいぞう)の細胞が何らかの原因で壊れ、血糖値を調節するインスリンを作れなくなるため症状が急激に悪化する。年間の発症者は10万人に1、2人だが、子どもに多いのが特徴。2型と違い、生涯にわたってインスリン注射が必要になる。協会事務局の岡山赤十字病院によると、県内の18歳以下の患者は117人に上る。

 教職員向け研修会を初めて開いたのは昨年8月で、約150人が病気の基礎知識や低血糖発作への対応などを学んだ。きっかけとなったのは、鈴木会長が聞いた会員の母親の訴えだった。「小学生の娘が水泳の時間、発作が出たときすぐに分かるようにと、他の児童と違う色の水着にするよう求められた」との内容で、「差別的な扱いに、教育現場の理解不足を痛感した」と鈴木会長。授業への保護者同伴を求められたり、広島県内の保育所では男児(2)が一時入所を拒まれるケースもあったという。

 岡山赤十字病院は「1型はインスリン注射だけで通常の生活ができ、低血糖に留意すれば水泳やマラソンなども可能で食事制限もない。部活動や修学旅行への参加も問題ない」と説明。鈴木会長は「先生に知識があれば子どもたちの学校園での生活が変わる。まずこの病気を知ってほしい」と訴えている。

 研修会は参加無料。20日までに同病院内の事務局(086―222―8811)に申し込む。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月09日 更新)

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