文字 

岡山県内の熱中症患者倍増 水分補給などで予防を

トレーニングルームに設置された扇風機。エアコンの冷気を満遍なく室内に対流させている=岡山市北区、御津スポーツパーク

 全国で熱中症とみられる患者が急増している。総務省消防庁のまとめでは、16日までの3週間で2430人を搬送し、昨年6月の総数1837人を大きく上回っている。岡山県内でも126人に上り、同6月(56人)の2倍超。中国地方が梅雨入りした5月27日以降、晴れの日が多く気温が上がったためで、7、8月の“本番”を前に、高齢者施設や運動施設などでもさまざまな対策に躍起となっている。

 岡山県は梅雨入りしても高気圧に覆われる日が多く、岡山市では6月に入って猛暑日(最高気温が35度以上)が2日間、真夏日(30度以上)は6日間あった。気温は平年を上回り、湿度はほぼ連日60%超。蒸し暑く熱中症になりやすい状況が続いている。

 主な症状は目まいや頭痛、吐き気などで、意識障害を起こして死に至ることもある。126人の内訳をみると、死者はいなかったものの命の危険がある重症が4人、入院が必要な中等症42人、軽症69人―など。6割が高齢者で、総社市内では今月14日、女性(77)が自宅で気分が悪くなって搬送された。

 最高気温が28度を超えると患者が急増するとされるが、「たとえ気温が低くても湿度が高ければ危険」と県健康推進課。屋内での発症が目立っており、「リスクが高いのは子どもと高齢者だが、健康な成人であっても運動や作業中は要注意」と指摘する。

 御津スポーツパーク(岡山市北区御津高津)ではトレーニングルームでエアコンを稼働させるだけでなく、扇風機8台を回して冷気を室内に満遍なく対流させている。有料老人ホームなど県内14カ所で高齢者施設を運営するメッセージ(同下中野)は水分補給に加え、夏ばてで細くなりがちな食事量にも留意する。激しい暑さが続く高梁市の高梁中学校は教室に扇風機を1台ずつ配備。高梁小学校は全児童に水筒を持参させて小まめな水分補給に努めている。

 岡山地方気象台は「向こう1週間は雨で気温がいくぶん下がるが湿度は高く、引き続き注意が必要。小まめに水分補給し、体調管理には気を付けて」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月20日 更新)

タグ: 健康高齢者子供

ページトップへ

ページトップへ