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ノーベルアイスの味 川崎医科大付属川崎病院長 角田司

 2009年8月28日(金)に、夏休みを利用してノーベル賞の授賞式が行われるストックホルムを訪問しました。当日朝、現地スウェーデンの建築家ラグナル・エストベリの設計で1923年に完成したナショナルロマン様式、北欧中世風のデザインで宮殿を思わせる市庁舎に入りました。

 内部にはブルーホールの大広間があり、中世イタリアの広場を思わせるデザインで、コンサート、式典等に使われていますが、最も有名なのは毎年12月10日に開かれるノーベル賞授賞祝賀晩さん会であります。

 続いて、2階の市議会議場を見、ハイライトの黄金の間に入りました。ここは1900万枚の金箔(きんぱく)モザイクで飾られた豪華絢爛(けんらん)な壁面をもち、その名にふさわしい装いで、ノーベル賞授賞パーティーの舞踏会広間として使われるとの事でした。

 次に移動してノーベル博物館を見学しました。館内ではノーベル賞の歴史や歴代受賞者に関して、ビデオや写真などを使って年代ごとに紹介していました。1901年の第1回受賞者はエックス線を発見した物理学賞のウィルヘルム・レントゲンら5部門6人で、日本人の最初は49年の物理学賞の湯川秀樹です。2008年までに日本人の自然科学系の受賞者数は、医学生理学賞1人、化学賞5人、物理学賞7人の計13人でした。

 館内のカフェでは、晩さん会のディナーで出されるデザートと同じアイスクリーム(ノーベルアイス)が食べられるとの事で味わってみました。おいしくて、老化した頭に染み入り、活性化されるようでした。

 このままの頭脳を持って次の日、フィンランド・ヘルシンキから帰国したのですが、関西空港に着いた8月30日(日)は総選挙の日で、気温20度の国から一気に34度の国では、冷えて冴(さ)えていた頭脳も元に戻っていました。

(2013年6月20日付山陽新聞夕刊「一日一題」)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月20日 更新)

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