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病院ボランティアの誕生 川崎医科大付属川崎病院長 角田司

 前任地の川崎医科大学付属病院には、2005年1月までボランティアの受け入れ体制がなかったので、病院庶務課の課長を中心にその年4月、川崎医療福祉大学、川崎医療短期大学の学生を対象にボランティア活動員の募集を開始し、5月に病院ボランティア説明研修会を行いました。

 その内容は、当院の理念とボランティアの基本理念(自発性、社会性、先駆性、無償性)の理解、手洗いによる感染予防の教育、心身共に健康で明るい笑顔でのあいさつ、患者のプライバシーの守秘義務などです。そして当院としては初めて、43名の女子ならびに男子学生と契約を交わしました。

 6月2日から病院の玄関と外来の受付にブルーのエプロンをつけた学生ボランティアを配し、玄関先での患者の送迎と誘導、ご不自由な方の車いす介助と診療の付き添い、自動再来機の受付の介助、検査室までの案内などに活動してもらいました。患者さんやご家族には大変好評で、10月には第2回の応募者に説明と研修を行い、契約しました。

 なお、病院は当初より登録者に健康診断の受診と損害賠償保険への加入をしていただき、病院ボランティア手帳を発行し、ボランティアルームを準備しました。登録者は05年末には62名を数え、月〜金曜は午前8時30分から午後5時まで、土曜は正午まで、少ない日で3〜4名、多い日で10名の学生が「取り組みます。私たちだからできるお手伝い」をスローガンに奉仕活動に励みました。

 ボランティアの原点は、他人への思いやりであります。病院としては「何かしてあげる」といった気持ちでなく、「何かさせていただく」という謙虚な心を持ち、自分のできることから始め、継続することで成果も表れてくること、すなわち、自分の生活の一部としてほしいことを、活動員に伝えています。

(2013年6月27日付山陽新聞夕刊「一日一題」)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月27日 更新)

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