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院長就任あいさつ 川崎医科大付属川崎病院長 角田司

 今回は10年前の2003年に、私が川崎医科大学付属病院の院長に就任した際の祝賀会でのあいさつ文をご紹介します。

 「私は1993年7月1日付で赴任しておりますので、現在10年目に入っています。赴任した当時は『医療は患者のためにある』という病院是が全職員に浸透しているように見え、そこに身をおき仕事をすることに誇りを持ったものでした。しかしその後、いろいろな点でこれが建前だけで終わっている実態を目の前にしまして、構造改革が必要だろうと思いましたが、ひとたび曲がったものを一人で直すのは至難の業でありました。

 ところが、この3、4年、病院にも新しい人たちが入ってきて同じように考える仲間が増え、国立にはない、臨床に強い川崎の良さを取り戻そうとの機運が高まってきました。同時に理事長と副理事長のお二人も、これを待ち望んでおられることがわかりました。

 このような流れの中で、2年間の副院長を経て、今回病院長として任命を受けたわけであります。私にとりまして大変荷が重いことは事実でありますが、お引き受けした以上、今の流れを断ち切ることなく、本来の患者中心の医療に戻れるように与えられた仕事を全うしたいと考えております。

 人間の能力は『素質』と『努力』の掛け算で、その成果は『能力』と『やる気』と『つき』の掛け算だそうです。私には『素質』と『つき』はありませんが、年齢を重ねても『努力』と『やる気』を手放さないように心掛けるつもりであります。」

 そして10年後の現在、川崎医科大学付属川崎病院の院長を拝命いたしております。皆様におかれましては、今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻(べんたつ)を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

(2013年7月4日付山陽新聞夕刊「一日一題」)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月04日 更新)

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