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岡山大病院で新出生前診断開始 夫婦3組がカウンセリング

出生前診断が始まり、採血を受ける希望者

 ダウン症など胎児の染色体異常を妊婦の血液で調べる新しい出生前診断で、中国地方唯一の実施施設となっている岡山大病院(岡山市北区)は11日、診断に必須となっている妊婦への遺伝カウンセリングと採血を始めた。初日は3組の夫婦がカウンセリングを受け、3人の妊婦が採血。結果は約2週間後の7月下旬にも伝えられる。

 遺伝カウンセリングは午後0時半、産科婦人科所属の専門医が同大病院で健診を受ける妊婦と夫に対して実施。陽性と判定された場合でも羊水検査を受けなければ確定診断にならないことや、染色体異常で起こるダウン症などについて説明した。

 続いて、岡山県内の医療機関から紹介があった夫婦2組に同様のカウンセリングが行われ、全員が採血した。30代後半の女性(県内在住)は「新しい検査はインターネットで知った。高齢出産だけに不安があり、検査を決めた。子どもは3人目。何かあれば(出産を)諦めたい」とした。

 新しい出生前診断は的中率が陽性の場合は80〜95%、陰性は99%と精度が高いとされる上、血液だけで簡便に検査でき、広く普及すれば「命の選別」につながる懸念がある。日本産科婦人科学会は実施指針で対象を高齢妊婦らに限定。適切な遺伝カウンセリングが可能な環境づくりへの臨床研究として、岡山大病院を含めて全国23病院で行われている。

 同大病院では毎週月、木曜の午後に遺伝カウンセリング外来を実施。(1)胎児がダウン症などの可能性を指摘された(2)以前の妊娠で胎児がダウン症などだった(3)出産予定日の年齢が35歳以上―のいずれかに該当する妊娠10週以上16週未満の妊婦が対象。他の医療機関で妊婦健診を受けていれば、かかりつけ医の紹介が必要となる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月12日 更新)

タグ: お産岡山大学病院

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