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福祉現場向け医療用語辞典 2000語収録 岡山のNPO法人 宮原理事長発行 

福祉関係者向けに発行された「福祉医療用語辞典」

宮原伸二理事長

 高齢者、障害者福祉の現場にかかわるホームヘルパーやケアマネジャー、施設職員ら向けの「福祉医療用語辞典」を岡山市のNPO法人理事長が発行した。在宅での終末期ケアなど福祉と医療の協力が求められる分野が広がる中、福祉と関連が深い約2000の医療用語を分かりやすく解説している。

 訪問看護、訪問介護などの介護サービスを運営するNPO法人・総合ケアシーザル(岡山市西市)の宮原伸二理事長が編集。現役の医師である宮原理事長をはじめ、佐々木毅・東北大教授や塚原貴子・川崎医療福祉大助教授ら現場経験豊富な研究者、医師らが執筆した。

 身体や病気、薬、医療制度などの用語を、ケアの実用に即して解説。例えば、ヘルパーらが最もよく遭遇する国指定の特定疾患(難病)であるパーキンソン病の場合、症状や進行の過程を説明するとともに、治療の中心となる薬物療法について「多剤、多数服用しないと効果が出ないこともあるので、患者に薬浸け等と誤解を与えることがないよう注意する」などとアドバイスしている。

 EBM(根拠に基づく医療)、HOT(在宅酸素療法)、TB(結核)など分かりにくい医療の略語解説もある。

 宮原理事長は「高齢者や障害者の望ましいケアには健康状態を的確に把握しなければならず、福祉関係者にも基本的な医療知識は欠かせない。医療関係者向けの辞典とは異なり簡潔な説明に努め、命と暮らし、心を総合的に支える視点を大切にした」と話している。

 「福祉医療用語辞典」はA5判、三百四十三ページ。創元社刊、二五二〇円。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年05月09日 更新)

タグ: 福祉

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