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中学生対象のピロリ菌検査無料化 8月から真庭市、全国初

 真庭市は中学2、3年生を対象に、胃がんの主原因とされる「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」の無料感染検査を8月1日から始める。主に幼児期に感染するピロリ菌を早期発見・除菌し、発病リスクを低減する狙いで、感染者の除菌治療への補助制度も創設した。市と取り組む市医師会によると、中学生への本格的な無料検査は全国で初めて。

 感染者の血液中につくられるピロリ菌の抗体の有無を尿検査で判定。通常3千円程度かかるが、市の補助により、希望者は市内11医療機関で自己負担なしで受けられる。感染が疑われる人への精度の高い尿素呼気試験(6千円程度)は自己負担500円、除菌治療(保険不適用の場合6千円程度)は同千円。事業費は計約58万円。

 国内で年間5万人が死亡する胃がんの原因は、多くがピロリ菌であることが近年判明。同菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎も引き起こし、今年2月には除菌治療の保険適用対象が慢性胃炎患者にも拡大された。

 真庭市は市医師会と連携し2011年から、40歳以上を対象にピロリ菌感染と胃の老化を調べ、胃がんリスクを判定する「ABC検診」の助成制度を導入。若年層が検査を受けられる体制を求める要望に応じ、川崎医科大の井上和彦准教授らと協議。除菌治療で成人と同量の薬剤を投与できる中学生を対象に行うことにした。

 市医師会の本山雄三会長は「胃がん撲滅への第一歩。他地域へも検査が広がることを期待する」としている。
 
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月31日 更新)

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