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「医療通訳」活動を開始 岡山市内病院 ボランティア7人 外国人患者ら支援 初日はスーダン人の研修

スーダン人看護師の研修に付き添う医療通訳ボランティア(中央)

 外国人が県内の病院で診察や研修を受ける際に医師らとの意思疎通を仲立ちする「医療通訳」の取り組みが9日、岡山済生会総合病院(岡山市伊福町)で始まった。県国際交流協会の養成講座で学んだ住民ボランティアらが必要に応じてサポート、安心感を提供する。組織的な活動は「県内で初めて」(同交流協会)という。

 医療通訳は、神奈川県や京都市などで活動が広がっている。県内は外国人が約一万八千九百人(二〇〇四年)と五年前より三千七百人(約二割)増える中、同交流協会が昨年末に養成講座を開き、市民ら約三十人が医療用語や患者のプライバシー保護などを学んだ。

 済生会病院でボランティアを始めたのは、講座修了生を中心に英語やフランス語、ドイツ語、タイ語が話せる七人。病院が四月二十日に施設概要などの研修を行い、メンバーの携帯電話の番号やメールアドレスなどを登録、緊急時に連絡が取れる態勢をつくった。

 初活動の九日は、スーダン人の看護師二人の研修を支援。日本語ができない二人のため、塾講師の森淑子さん(50)=総社市溝口=が同病院の内視鏡センターで、機器や薬品の説明を英語で通訳。二人は森さんを介して病院職員に質問したり、自国の技術と比べながら理解を深めた。

 森さんは「専門用語や機器の略称はさらに勉強が必要。二人の支えになれるよう努める」と話した。七月までメンバーが交代で研修に付き添う。

 同病院秘書広報室は「昨年春に日本語や英語の通じない外国人患者が来院し、医療通訳の必要性を痛感した。心の支えになってもらえたら」と期待。同交流協会の講座で講師を務めた岡山市国際交流協議会前理事の国富比左子さん(62)=同市円山=は「外国人にとって自分の考え方と日本の医療システムが分かる人がいることで、病院に安心して来ることができる」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年05月10日 更新)

タグ: 福祉医療・話題

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