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12年県内、がん死者最多5611人 死因別31年連続トップ 検診受診率は低迷

 2012年の岡山県内のがんの死者数が過去最多の5611人に上ることが県のまとめで分かった。死因別では31年連続トップ。団塊世代の高齢化で罹患(りかん)者、死者は共に増えるとみられる半面、早期発見・治療につながる検診の受診率は低下傾向にあり、県は積極的な受診を呼び掛けている。9月はがん征圧月間。

 全死者2万1180人の死因別では、がんが26・5%と4分の1超。同じく三大生活習慣病とされる心疾患15・7%(3319人)と脳血管疾患9・7%(2055人)を大きく上回った。

 がんの部位別の死亡率(11年)は、男性が肺25・0%、胃14・3%、肝臓11・0%、大腸10・0%の順。女性は大腸と胃がそれぞれ12・6%で最も高く、肺11・8%、肝臓10・7%と続いた。

 一方、がん検診の受診率(11年度、市町村実施分)は低迷。子宮がんが前年度比1・8ポイント増の24・9%となったほかは肺がん(29・9%)、胃がん(15・8%)、大腸がん(22・5%)、乳がん(18・1%)とも前年度を下回った。

 県の11年のアンケートでは、受診しなかった理由(複数回答)は「心配な時は受診する」が男女ともトップ。「自覚症状が現れた時にはがんが進行している可能性が高く、検診の重要性が十分認識されていない」と県健康推進課。

 県は3月に策定した「第2次県がん対策推進計画」で、正しい知識を持ってもらう学校教育の推進などを盛り込み、啓発を強める方針。同課は「検診の会場を増やしたり、時間を延長するなど市町村できめ細かい取り組みを進めてもらうよう努めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年09月03日 更新)

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