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小児夜間診療、開業医が支援 岡山赤十字病院 負担軽減、質向上へ

岡山赤十字病院で始まった地元開業医による小児科夜間診療

 岡山赤十字病院(岡山市青江)は十一日、地元開業医がサポートする小児科夜間診療を始めた。応援に当たる岡山、玉野市の小児科医が毎週一回、木曜夜に同病院で急患の子どもを診て、同病院の小児科医はより症状が重い患者や入院患者の治療に専念。役割分担することで、小児医療の質向上を図る。

 同病院は二十四時間体制の救命救急センターを設け、夜間診療に当たっている。小児科医は八人在籍するが、夜間は当直の一人だけ。多い日には百人以上の子どもを診察し、入院患者にも対応しているため、急患の親子が一時間以上待たされる例もあった。

 医師側も、睡眠や休憩が十分に取れないままに日中の診察に移るなど激務。三十時間以上の連続勤務もしばしばで、医療ミスを予防するためにも負担軽減が課題だった。

 今後はサポートする開業医十三人が毎週一人ずつ、患者が集中する午後八時から十一時までの三時間、外来患者を診療する。

 近藤捷嘉院長は「待ち時間の短縮はもちろん、医師に余裕が生まれることで医療サービスの向上にもつながる」と話している。

 同様の取り組みは県内で広がりを見せている。倉敷中央病院(倉敷市美和)では一カ月に十日前後、開業医九人がサポート。津山中央病院(津山市川崎)が、地元医師に加え、鳥取大病院の医師が時間外診療に当たる。

 国立病院機構岡山医療センター(岡山市田益)も、七月から地元小児科医と連携を始める予定。すでに岡山市医師会などに協力を求めており、「できるだけ多くの医師に助けてもらいたい」(同センター)と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年05月12日 更新)

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