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岡山の派遣会社 手話奉仕員採用 聴覚障害者のサポート充実 企業では県内初 意思疎通密に

打ち合わせで手話通訳する中谷さん(右)

 岡山市の人材派遣会社が、手話奉仕員として県に登録している女性を社員に採用し、社内の聴覚障害者とのコミュニケーション向上を図っている。民間企業では県内初の試みで、県聴覚障害者福祉協会は「障害者への理解が社会に広がっている証し」と歓迎している。

 自治体や病院は市民サービスを重視し、手話ができる職員を採用しているが、企業では人件費などがネックとなり進んでいない。聴覚障害者が上司らと意思疎通できず、孤立するケースもあるという。

 岡山市〓東町、人材派遣会社「グロップ」(原田竜一郎社長)は今春、日常会話ができる手話奉仕員の中谷弘子さん(36)=玉野市田井=を採用。総務課に配属され、聴覚障害のある社員十一人に会議の内容を伝えたり、上司、同僚との会話を取り持つほか、労務管理全般を担当している。

 聴覚障害者の佐田野優さん(22)=岡山市芳賀=は「身ぶりや筆談でやりとりしていたが、通訳を通してより理解できて安心」、中谷さんは「ボランティアにとどまらず、手話を生かした仕事に就けてうれしい」と話す。

 民間企業では、障害者雇用の機運は高まっているが、県内の聴覚障害者約七千人に対し、国家資格の手話通訳士、県に登録している手話通訳者、手話奉仕員は三百九人(二〇〇五年度)しかいない。

 グロップは「手話通訳によって仕事の効率が上がり、職場の雰囲気もよくなると期待している。今後も障害者のサポート体制を充実させたい」としている。

(注)〓はのぎへんに最
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年05月15日 更新)

タグ: 福祉

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