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精神障害者代弁「アドボケーター」 県保健福祉協、養成へ事例報告会

アドボケーターの効果などを報告するパネリスト

 岡山県精神保健福祉協会は、精神障害者の代弁者「アドボケーター」を養成するモデル事業の報告会を岡山市で開いた。同事業は入院中の患者の希望や要望を聞いて権利擁護を担ったり、退院支援につなげるのが狙い。長期の入院患者が退院に向けた準備を始めた事例などが報告された。

 同協会によると、アドボケーターには精神障害の当事者や家族、福祉関係者ら76人が登録。このうち39人を昨年8月から県内6病院の入院患者11人の元へほぼ毎週派遣し、思いを聞き取った。

 報告会では、同協会の藤田健三会長が患者アンケートで「事業に満足」との回答が多数を占めたことを説明。地域で暮らす精神障害者と話した入院患者が刺激され、退院意欲を示すようになった事例などを紹介した。

 アドボケーター経験者ら5人によるパネルディスカッションもあり、障害当事者として派遣された男性(39)は「『外の風』が病院に入ることで職員の患者への関わり方も変わったのでは」と指摘。山本昌知医師は「話をしっかり聞いてくれる人の存在は患者の安心感につながり、回復にもプラスになる」と述べた。

 同協会は今後、モデル事業の報告書をまとめ、関係機関に配布する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年03月18日 更新)

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