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うつ状態(2) 医療法人社団良友会 理事長 中島良彦

 うつ状態について、もう少し話を続けましょう。長い人生の中でうつ状態になることは、誰でも度々あります。受験に落ちたとき。失恋したとき。愛してくれた父母や配偶者と死別したとき。最も落ち込むのは子供に先立たれたときだそうです。就活に失敗する、または仕事で失敗し、上司にこっぴどく叱られたとき。倒産したとき。この頃ではちょっとした友達とのけんかでも相当落ち込むようです。病気のときでも多くはうつ気分です。

 どの時も悲しい、憂鬱だ、何もしたくない、何にも興味がない、眠れない、食欲がない、身体がだるい、疲れる。集中して考えられない。人に会いたくない、もうこの世に未練はない。ということになります。そういうことで、学校に行かない。仕事に出ない。家に閉じこもっているとなると、これは全部うつ病でしょうか。それは正常な生理的現象であって、うつ病ではないのです。「うつ」の状態といいます。ここのところが、間違われやすいのです。

 しかし、親に死に別れたからと言って、半年も嘆き悲しんで、会社に出ないで家に閉じこもっているような場合には、それは心因反応性うつ病と名付けます。では本当のうつ病とはどんな場合でしょうか。それはこの次の話題といたしましょう。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年03月26日 更新)

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