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日中の医療者向け研修便覧製作 岡山県精神科センター、中国の病院と

日本と中国の医療者研修用の便覧を手にする岡山県精神科医療センターの関医師

 岡山県精神科医療センター(岡山市北区鹿田本町)は医療者同士の相互交流を続ける中国・洛陽市の河南科技大第五付属医院と共同で医療者向けの研修便覧を作った。日中双方の医療制度の違いを事前に把握し、より深い研修に役立ててもらう狙い。同センターによると、全国でこうした便覧は初めて。歴史認識などをめぐって日中関係が冷え込む中、医療者同士の活発な交流に向けた一助とする。

 同センターで昨年7月から3カ月間、河南科技大第五付属医院など2病院で研修した関英一医師(54)らが執筆。便覧は白衣のポケットに入る新書サイズで373ページ。見開きで左に日本語、右は中国語で解説した。

 日本では健康保険証1枚で同じ自己負担で医療を受けられるのに対し、中国では公務員や都市労働者、農民などで保険が分かれ、自己負担が変わることなどを紹介。病院や医師が細かくランク分けされ、提供できる治療や薬が異なるなど複雑な制度の仕組みを説明している。日本の漢方医学の概説もある。

 同センターは2011年5月に同医院と医療者を相互派遣する協定を締結。昨年11月には同医院の女性医師が来岡、2カ月間研修した。今後も年に1回程度相互に行き来する計画にしている。

 便覧は1500部作り、同医院など関係者に配布する。関医師は「研修では日中の異なる医療を理解するまでに時間がかかる。充実した研修に役立ててもらい、交流を継続させたい」としている。

 便覧の内容は岡山市日中友好協会のホームページにも掲載。問い合わせは同協会(086―225―5068)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年03月31日 更新)

タグ: 精神疾患

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