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イグサの香りに血栓予防効果 倉敷芸科大・須見教授ら確認

イグサから抽出した香り成分(中央)と須見教授。右はアロマオイルの試作品

 イグサの香り成分にヒトのt―PA(血栓溶解因子)生産量を高める効果があることを、倉敷芸術科学大生命科学部の須見洋行教授(食品機能学)らが突き止め、6日発表した。アロマセラピー(芳香療法)などにより、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓の予防効果が期待できるという。

 須見教授は、納豆菌が作る血栓溶解酵素・ナットウキナーゼの発見で知られ、花ござ製造販売の沖宗(倉敷市茶屋町早沖)の溝手久弥取締役と共同研究。国産イグサを低温のアルコールに一定期間漬けて香り成分を抽出、体への効能を調べた。

 実験では培養したヒトの細胞に濃度を変えながら香り成分を投入し、t―PAを測定。水で2倍に希釈した場合、通常の約20倍に増えた。さらに血液細胞の一種、血小板の凝集反応を調べたところ、血小板の凝固を促すコラーゲンなどの働きを阻害し、血が固まりにくくなることを確認した。

 須見教授らは、イグサの香り成分を「イグサリュパミン」と命名し、4月に特許を取得。沖宗はイグサリュパミンを配合したアロマオイルを開発しており、7月にも販売する方針。

 須見教授は「イグサの癒やし効果は古くから指摘されてきたが、血液をさらさらにするなど健康に良いことも裏付けられた」、溝手取締役は「さまざまな臨床データを集め、イグサリュパミンの用途開発を進めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年06月07日 更新)

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