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介護事業所に口腔ケア導入支援 岡山市、職員向け研修会

山本さん(右端)から口腔ケアについて学ぶ介護福祉士ら

 岡山市は2日、歯と口の健康状態を向上させる「口腔(こうくう)ケア」を取り入れようとする介護事業所への支援事業を始めた。歯科医らを事業所に派遣し、要介護者に定期的なケアを提供するとともに、職員にノウハウを伝授する。第1弾として市内のデイサービス事業所で職員向けの研修会を開いた。

 事業は通所介護のアルフィック下中野(南区下中野)、老健施設の夕なぎケアセンター(東区宿毛)でモデル的に行う。それぞれ研修会の後、今月下旬から12月まで計6回、歯科医や歯科衛生士が訪問し、要介護者の歯科検診や歯磨き指導、入れ歯の掃除、食べ物をかんでのみ込む訓練などを実施する。歯科医らの実践を通じ、介護職員に技術を伝え、終了後は事業所側に独自に取り組んでもらう。

 厚生労働省の補助事業で、市は2014年度一般会計当初予算に経費を計上。市内歯科医師会連合会に実施を委託した。

 2日の研修会はアルフィック下中野であり、介護福祉士、看護師ら14人が参加。同連合会理事の山本道代さんを講師に口腔ケアへの理解を深めた。介護福祉士(35)は「自信を持ってケアできるよう技術を身に付けたい」と話していた。

 市は事業終了後、介護職員らへの聞き取り調査などで効果を検証し、15年度以降の対応を検討する。

 市保健管理課によると、市内の介護事業所で口腔ケアを実施しているのは入所で約半数、通所ではさらに少ないとみられる。

 市は3月に策定した市歯科保健基本計画で要介護者の口腔機能向上を重点項目として掲げており、「口腔ケアは全身の疾患予防につながる。ケアを充実させ、要介護度の進行抑制を図りたい」(同課)としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年07月03日 更新)

タグ: 介護高齢者

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