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抗加齢ドック 老化や動脈硬化、幅広く検査 10月開設の淳風会健康管理センター(岡山)田代部長に聞く

新設するビタミンドック、サプリメントドックの狙いを語る田代看護部長

 年齢を重ねても若々しく健康でありたい―。高齢化が進む中、アンチエイジング(抗加齢)医学や予防医療に関心が高まっている。その一環で、全国に続々と開設されているのが「抗加齢ドック」。10月から取り組む淳風会健康管理センター(岡山市大供)の田代ひろみ看護部長に、その意義や手法を聞いた。


 通常の人間ドックや健康診断は、がんや心臓病、脳卒中など病気を早期発見するのが狙い。抗加齢ドックは一歩進んで「幅広い検査により病気を前段階でとらえ、予備軍のうちに改善を図る」(田代部長)のが特徴だ。

 例えば、同センターが始める「ビタミンドック」は、血糖やコレステロール、肝機能など十五の一般検査項目に加え、体のバランスを保つビタミンとミネラルが足りているかを十三項目にわたり調べる。さらに、「サプリメントドック」の場合は、老化を早める体の酸化度や動脈硬化、貧血の目安も加え、六十六項目に及び体の状態を把握。NK細胞の働きなど免疫バランスの検査まである。

 問診後、血液検査などを行い、結果に基づき管理栄養士や保健師、看護師が食事や運動など生活改善から健康補助食品のサプリメントの利用までを個別指導。特にサプリメントについて、田代部長は「利用者は多く、さまざまな商品があるものの、どれを飲むかは企業のPRなどを参考にした自己判断が大半。ドックにより自分に最適なサプリメントが分かる」と語る。

 公的医療保険外の自由診療で、費用はビタミンドックが約二万円、サプリメントドックは約四万四千円。全国的にみても標準という。同センターは来年一月、さらに検査項目を充実させたドックも始める計画。

 こうした抗加齢ドックは五年前、東京の医療機関で始まったとされ、最近では愛媛大など大学病院も開設している。

 ただ、アンチエイジング医学はまだ歴史の浅い分野。科学的根拠など研究の余地は大きい。抗加齢ドックも施設ごとに検査方法や項目にばらつきがある。「研究会もできているが、活動は首都圏が中心」と田代部長。そこで六月、瀬戸内抗加齢医学研究会を設立。研究発表会の開催や市民への啓発活動、情報収集などを目指し、医療機関を超え関係者に参加を呼び掛けている。

 「岡山発信の研究会を、中四国を中心とした医療関係者、医療機関、企業、団体の活動拠点に発展させ、アンチエイジング医学と、利用者へのサービスの向上を図りたい」。田代部長は期待している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年07月08日 更新)

タグ: 健康

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