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ズッキーニで食中毒症状 岡山県内14人、苦味成分原因か

強い苦味があるとき食べないよう県が注意を呼び掛けているズッキーニ

 ウリ科植物で、人気食材のズッキーニを食べた岡山県内の20〜60代の男女14人が下痢や腹痛の食中毒症状を訴えていたことが分かり、県がホームページで注意を呼び掛けている。ズッキーニに含まれる苦味成分「ククルビタシン」が原因とみられ、県によると、ズッキーニによる同種の食中毒が確認されたのは全国でも珍しいという。

 県備前県民局によると、7月上旬の昼ごろ、管内の飲食店で会食した会社の同僚15人のうち「アワビとズッキーニのステーキ」を食べた14人が夕方から夜にかけて腹痛や下痢の症状を発症し、数人が医療機関を受診した。いずれも命に別条はなかった。

 同局は、症状のなかった1人がズッキーニを食べていなかったことや、14人がいずれも一口食べて強い苦味を感じたこと、適切に加熱処理するなど衛生管理上に問題がなかったこと、同じ産地のズッキーニについて強い苦味があったという苦情が他にも寄せられていたことなどから、ククルビタシンが原因と推定した。

 ククルビタシンはメロンやカボチャなどのウリ科植物に広く含まれる。通常は微量のため強い苦味を感じることはないが、何らかの理由で含有量が多い例があるという。観賞用ヒョウタンでは食べた人が、ククルビタシンが原因とみられる同様の症状を訴えるケースがあり、7月には奈良県で確認されている。同じウリ科のゴーヤーも苦味はあるが、「モモルデシン」という異なる成分のため、同局は「食中毒になることはない」とする。

 同局衛生課の植木昭博総括参事は「今回は一口食べただけで強い症状を引き起こしている。見た目では異常が分からないので、料理する前にへたを少しなめ、明らかな苦味を感じたら食べるのを控えてほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年09月17日 更新)

タグ: 感染症

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