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うつ病 医療法人社団良友会 理事長 中島良彦

 「うつ」は、悲しい、憂鬱だ、何もしたくない。何にも興味がない、眠れない。食欲がない、身体がだるく疲れる。集中してものが考えられない。人に会いたくない、もうこの世に未練はない…などの精神的な気分の落ちこんだ、生気の無い状態を示しています。それが長期に続くのか、何度も繰り返すのか。浅い悲しみか、深い悲しみか。自責的か、他罰的か。さらに、いつ始まったのか、心因となる原因がはっきりしているか、何にも原因無くいつの間にか始まっているのか…などによってさまざまに分けられます。

 前回ご紹介した身近な父母や配偶者の死に出合うときの悲しみは心因性うつ病となって誰にでも襲ってくる出来事ですが、もう一つは内因性うつ病と呼ばれるものです。

 大きな原因となるほどの出来事が無いにもかかわらず深刻なうつ症状を呈する場合があり、それも周期をもって発現します。大事なのはその悲しみの深さと性質です。それがもう生きていても仕方ない、死んでしまいたい、という厭世観(えんせいかん)を伴っているときです。そして多くの場合は抑うつ感情に加えて、不眠、食欲のなさ、便秘、唾液が出ない、口の渇き…などの自律神経症状が伴います。このようなときは内因性を疑います。これを本当の「うつ病」と言うのです。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年09月25日 更新)

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