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地域包括ケア 全県的システム構築へ 岡山県医師会が専門部会

地域包括ケア部会の第1回会議=9月13日、岡山市

 岡山県医師会(岡山市中区古京町)は、医療や介護を一体的に提供し、いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らすための「地域包括ケアシステム」の全県的な構築を目指し、地域包括ケア部会を立ち上げた。県医師会によると、地域包括ケアの専門部会を設けるのは全国の都道府県医師会でも珍しい。

 地域包括ケアシステムは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、現在の医療体制では生活を支えきれないとして、国が普及に力を入れている。

 医療と介護の連携が柱。24時間対応の在宅医療や訪問看護の充実、見守りや配食、買い物などの生活支援、高齢者専用住宅の整備、要介護状態にならないための取り組みなどを進める。

 各地の地域包括支援センターを調整役に、医療、福祉の専門職や行政関係者が協力し合い、必要な場合、おおむね30分以内に適切なサービスが受けられるようにする。介護予防や生活支援では、NPOやボランティアの参加も求める。

 県医師会の地域包括ケア部会は従来の介護保険部会を改組し9月に発足。同医師会や各郡市医師会役員ら計約40人で構成。地域での取り組みの現状などを踏まえ、新たなシステム構築に向け、定期的に話し合っていく。県内の看護協会や薬剤師会、介護支援専門員協会など他団体との連携も図りたい考え。

 12月13日には、三木記念ホール(同古京町)で、シンポジウムを開催する。

 江澤和彦理事(倉敷スイートホスピタル理事長)は「岡山県は、県南と県北とでは状況が大きく異なる。県民がどこに住んでいても十分なサービスを受けられるよう、医師会挙げて整備に取り組む」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年10月20日 更新)

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