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岡山市が認知症カフェ開設 不安や悩み共有の場に

義風会が認知症カフェを開く「いきがいライフたかまつ」

鴻仁福祉会が認知症カフェの場とする浦安本町公会堂

 認知症の人や家族らに交流の場を提供する「認知症カフェ」が今月、岡山市内2カ所に開設される。同市が民間に運営を委託して初めて取り組む事業で、当事者同士が不安や悩みを共有し、医療・介護の専門職を交えて語り合うことで早期治療や介護サービス利用につなげる。

 認知症カフェは厚生労働省が2013年度からの「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」で普及を掲げ、同市も今年4月に策定した「認知症施策の指針」で患者や家族が地域で安心して暮らせる具体策の一つに挙げている。県内では倉敷市が1月に取り組みを始め、新見市も10月から開設している。

 認知症の人と家族の会県支部によると、全国では社会福祉法人やNPO、家族会などがカフェを運営している。行政が開設するケースは医療・介護職との連携や地域住民の参加がスムーズに進みやすいといった利点があるという。

 岡山市は認知症カフェが14年度から介護保険の地域支援事業に位置付けられたことから、同保険の会計を活用して実施に踏み切った。実際の運営は社会福祉法人の義風会(同市北区下足守)、鴻仁福祉会(同市南区浦安本町)にそれぞれ委ね、義風会は系列の特別養護老人ホーム・いきがいライフたかまつ(同市北区立田)で週1回、鴻仁福祉会は浦安本町公会堂で月2回程度計画する。両法人とも今月中旬までに第1回を開く予定。

 認知症以外の地域住民を含め、誰でも参加でき、お茶やコーヒーを飲みながら歓談するほか、認知症に関する専門家の講話を聞いたり、クイズやパズルといった脳トレーニングをしたりする。看護師、介護福祉士らが常駐し、相談にも応じる。1回3時間程度。参加費は300円。

 同市は2カ所での運営状況を見て、市内の他地域への開設も検討する。問い合わせは市高齢者福祉課(086―803―1230)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年11月02日 更新)

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