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臨床腫瘍科を開設 広島県立広島病院 抗がん剤治療専門

県立広島病院が臨床腫瘍科に配備した点滴治療用の電動リクライニングチェア

 広島県立広島病院(広島市南区)は二十一日、外来患者を対象に、抗がん剤による化学療法を専門に行う「臨床腫瘍(しゅよう)科」を開設する。同病院によると、中国地方で同様の専門科を開設するのは島根大医学部付属病院(出雲市)に次ぎ二番目という。

 臨床腫瘍科は南棟三階の約三百平方メートルに開設。医療スタッフは医師、薬剤師、看護師各二人の計六人。点滴治療用の電動リクライニングチェア十二台とベッド六台、無菌状態で抗がん剤の調整をする専用調剤室などを備える。整備費約八千八百万円。

 外来患者の治療を行い、胃がんなど消化器系のがんをはじめ乳がんや肺がんなどに対応。初年度は約三千五百人の診療を見込む。受付時間は平日午前八時半―午後二時。平日午後にはがん化学療法の相談(要予約)も行う。

 スタッフは事前に国立がんセンター中央病院(東京)で半年―二週間の研修を終えた。二十日には、両病院ががん診療に関する覚書に調印。県立病院は今後、専門医の派遣による指導・助言▽臨床研修への医療スタッフの受け入れ―などの支援を中央病院から受ける。

 化学療法はこれまで、手術後の再発防止などに用いられることが多かった。だが近年、新薬が開発されるなど高い治療効果が期待されており、がん診療の柱として大きく発展する可能性があるという。

 同広島病院臨床腫瘍科の篠崎勝則部長は「手術療法や放射線治療などと合わせて総合的ながん治療が行える体制が整った。院内のがん医療機能全体の充実を図りたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年07月21日 更新)

タグ: がん医療・話題

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