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県内でRSウイルス流行の兆し 乳幼児に気管支炎や肺炎

 乳幼児の気管支炎や肺炎を引き起こす「RSウイルス感染症」が、岡山県内で流行の兆しをみせている。10月には過去10年間の同期比で2番目に多い患者が発生。専門家は手洗いやうがいなど予防の徹底を呼び掛けている。

 冬場に流行するRSウイルスは感染力が強く、せきやくしゃみを通じて拡大。風邪に似ており、大半は鼻水やせきなど軽い症状で済むが、1歳未満や心疾患のある乳幼児、高齢者は重症化しやすいため注意が必要という。

 県健康推進課によると、今年は例年と同じく9月に入って全国で増え始め、とりわけ西日本で目立っている。県内では10月6~12日、県指定54医療機関の1施設当たりの患者数が1・0人となり、過去10年間の同期比では2012年(1・17人)に次いで多かった。ピークは例年12月から1月にかけて。

 RSウイルスはインフルエンザなどより認知度は低いが、「乳幼児の場合、呼吸困難に陥るなど軽視できない」と岡山赤十字病院小児科の後藤振一郎副部長。軽症の場合はウイルス検査をしないため、実際の患者数は県データより多いという。

 風邪と見分けるポイントは「ぜーぜー」という呼吸音。熱やせきが長引くなど風邪より症状が重い場合は感染を疑った方がよいという。後藤副部長は「親が家庭に持ち込み、子どもにうつすケースも少なくない。マスク着用を含め予防の徹底を」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年11月09日 更新)

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