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岡山県内HIV感染判明、最多の7人 14年検査 料金軽減、啓発で増加

 2014年に岡山県内のエイズ治療拠点病院と保健所の検査を自発的に受け、HIV(エイズウイルス)感染が判明した人が10月末で過去最多の7人となったことが県の調査で分かった。検査料の軽減や啓発で検査件数が増えたことが要因とみられる。県は早期発見につながったと評価する一方、新たに確認されたエイズ患者も4年ぶりに増えており、12月1日の世界エイズデーに合わせて検査時間を延長するなど早めの検査を呼び掛ける。

 14年に自発的検査で感染が判明したのは保健所5人、拠点病院2人。前年は保健所2人、拠点病院はゼロで、県健康推進課は「例年1~3人ずつで、7人は飛び抜けた数字」と言う。これ以外にも他の病気で医療機関を受診し、感染が発覚した人なども5人いて、今年の新規感染者は12人となっている。

 県によると、県内の検査件数は14年が1121件で前年同期比2割増。昨年4月から検査料を一律千円にした拠点病院が4割増と大きく伸びた。

 県は検査機関や日時を一覧にしたカードをトイレなど手に取りやすい場所に置く対策を実施。感染リスクが高いとされるMSM(男性同士で性行為する人)が集まりやすい場所でもカードを置くなど啓発している。

 県エイズ医療等推進協議会会長の和田秀穂・川崎医科大教授は「感染リスクの高さを自覚した人が検査を受けに来るケースが増えているのでは」と分析する。

 一方、14年の新規患者は7人で10年の11人に次いで多い水準。「比較的初期の患者が多い」(和田教授)という。

 県は1日以降、保健所の検査時間を随時延長するほか、今後、検査を受ける人にアンケートし、効果的な啓発方法や検査を受けやすい環境づくりを探る方針。健康推進課は「早い段階で治療を始めれば、仕事も辞めずにそれまで通りの社会生活を送れる。早めの検査が大切なことを呼び掛けていきたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年11月29日 更新)

タグ: 男性

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