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体のしびれや痛み、高齢者の悩みに対応 済生会病院医療スタッフらが出前講座

岡山県内各地で出前講座を開いているNPOニューロスパイナルセミナーのメンバー(左から4人目がリーダーの中島医長)

 岡山済生会総合病院(岡山市北区伊福町)の医療スタッフを中心に、岡山、倉敷市内のメンバーがボランティアで岡山県内を巡回し、手足・腰のしびれや痛みの原因となる病気の予防、治療などに関する出前講座を開いている。メンバーは「年のせいとあきらめず、適切な治療を受け健康に過ごしてほしい」としている。

 チームは「NPOニューロスパイナルセミナー」。同病院脳神経外科の中島正明医長をリーダーに医師や看護師、医療事務員と、倉敷リハビリテーション病院(倉敷市笹沖)の理学療法士、池上歯科医院(岡山市北区中山下)の歯科医師らで構成。趣旨に賛同する他県の脳神経外科専門医も毎回講師に招いている。

 岡山済生会総合病院脳神経外科は、脊椎・脊髄・末梢神経の手術件数が年間約270例と脳神経外科としては中四国最多を誇る。来院が難しい地域の住民にも正しい知識を持ってもらおうと、2012年に出前講座を始めた。岡山県北を中心にほぼ月1回のペースで開催し、これまでの来場者は計約3千人。口コミや地元自治体の協力で毎回、百人以上が訪れている。

 講座の内容は、脊髄の神経が通る管が細くなることでしびれや痛みを招き、中高年に多い脊柱管狭窄(きょうさく)症の薬物治療、背骨が曲がる側彎(そくわん)症の矯正固定手術、難病指定されている後縦(こうじゅう)靱帯(じんたい)骨化症へのカギ穴手術、かみ合わせと健康の関連性―など多岐にわたる。脊柱管狭窄症は見逃されるケースも多く、また背骨の変形を放置すると他の病気を併発することもある。そのほか医療費の説明、足腰を鍛えて健康を維持する体操の紹介などもあり、個別相談にも応じる。

 さまざまな医療スタッフによる出前講座の定期開催は全国でも珍しく、他県の医師らも刺激。13年からは徳島県で同様の取り組みがスタート。近く香川県でも始まる予定だ。中島医長は「体の痛みに悩む高齢者は多い。お役に立てるよう、長く続けていきたい」としている。

 セミナーに関する問い合わせは中島医長(同病院(電)086―252―2211)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年12月01日 更新)

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