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支援ロボで腎臓がん手術 先進医療施設の岡山大病院

岡山大病院が導入している手術支援ロボット「ダ・ビンチ」

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は手術支援ロボット「ダ・ビンチ」による腎臓がんの腎部分切除手術を行う先進医療施設に認定され、今月から手術を行っている。他に認定を受けている神戸大病院など9施設と共同で症例を重ね、早期の保険適用を目指す。

 腎臓がんは近年、腫瘍部分のみを切除する手術が標準的な治療となっており、患者の負担の少ない腹腔(ふくくう)鏡を使う方法が増えている。ただ、技術的難度が高く、腫瘍の場所や大きさによっては開腹手術しかできないこともあった。

 ダ・ビンチを使う手術では3次元画像を確認しながら、複雑で繊細な動きができる鉗子(かんし)付きアームを操作。開腹はせず、患者の下腹部に開けた小さな穴から鉗子を入れ、腫瘍部分を切除する。腹腔鏡に比べて鉗子の可動域が広く、安全に止血できるなどの利点がある。

 同病院では2010年11月にダ・ビンチ手術システムを導入し、前立腺がんの全摘出手術約300例、腎盂(う)形成術7例、胃がん切除手術27例などの実績がある。前立腺全摘出手術は12年4月に保険適用となった。

 先進医療は一般の医療技術水準を超えた新しい技術として国が承認。診察、入院費などは保険が適用されるが、手術代は全額が患者の自己負担となる。

 腎臓がんは、泌尿器科の小林泰之助教の執刀で臨床研究の段階から手術を重ねている。那須保友副病院長(新医療研究開発センター教授)は「保険適用になれば患者の経済的負担が軽減される。2016年度の適用を目指したい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年12月27日 更新)

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