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ストレスケア、認知症対応の新病棟 岡山・慈圭病院、4月稼働

4月から利用が始まる慈圭病院の新病棟

 精神疾患を専門とする慈圭病院(岡山市南区浦安本町)は、多様な症状に対応した新病棟(300床)を整備しており、4月から利用を開始する。高齢化に伴い、需要が高まる認知症治療の病床を約2倍に増やすほか、症状が比較的軽い患者を対象にしたストレスケア専用の病室を新設。7割近くを個室化するなど入院環境の改善を図り、手厚い対応で患者の早期回復を狙う。

 慈圭病院は1952年に開院し、現在3病棟(計600床)ある。このうち老朽化した2棟(計330床)の代わりに、2013年5月、鉄筋8階延べ約1万6千平方メートルの新病棟建設を始めた。

 新病棟は、1階に外来窓口と薬局を配置し、2~7階を病室に充てる。認知症対応の病床は5、6階に計96床(現在50床)。ストレスケア専用病室は7階に個室(25~35平方メートル)8床を設ける。通常の個室より2~3倍広く「ホテル並みの広さでリラックスしてもらい、回復を促す」と同病院。2、3階は急性期の病床96床で、全て個室。4階は合併症の病室52床を整備する。

 堀井茂男院長は「手厚い医療と快適な入院環境で患者の早期回復につなげるとともに、スムーズな社会復帰を後押しできるような運営に努めたい」と話している。

 厚生労働省が3年ごとに行っている調査では、2011年の精神疾患患者数は推計320万人。糖尿病(270万人)やがん(150万人)などの患者数を上回り、対策の充実が求められている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年01月14日 更新)

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