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ゲノム育種を開発 岡山大助教授ら ベンチャー企業設立

佐藤和広助教授

 岡山大資源生物科学研究所(倉敷市中央)の佐藤和広助教授=植物遺伝学=らが、DNA鑑定技術を使って、より良質な大麦の品種を効率的につくる「ゲノム(全遺伝情報)育種システム」の開発・実用化を進めるベンチャー企業を設立した。岡山大が二十八日発表した。

 企業名は「岡山大麦ゲノムテクノロジー株式会社」(倉敷市有城)。同研究所が多くの特許を取得しているDNA配列情報などを活用し、交雑により生まれる大量の雑種系統の中から“両親”の良質な遺伝子のみを引き継いだ系統を選別、新品種をつくりだす。

 当面は代表取締役に就く佐藤助教授ら役員三人体制で、品質の優劣や病気に対する抵抗力などにかかわる遺伝子を一挙に解析できる装置を一、二年をめどに製品化。解析作業の代行を含め、ホームページを利用して事業展開する。

 佐藤助教授は「これまでは実際に植物を育てて品質を評価していたが、目的の品種を遺伝子レベルで確実に選別でき、評価に要する時間も大幅に短縮される。次世代を担う新技術として世界市場への展開を目指す」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年04月29日 更新)

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