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抑うつ神経症 医療法人社団良友会 理事長 中島良彦

 もともと神経症的な人は人間関係を作るのが苦手で、自分一人で悩み、容易に無気力、引きこもり、中・高生の不登校となります。また、大学に合格することだけが目的で受験戦争に勝ち抜いても、入学すると途端に目的を失い、無気力なスチューデント・アパチーに陥ってしまいます。その時の症状は抑うつ症状そのものです。しんどい、だるい、ゆううつだ、何もしたくない、人に会いたくない、何にも興味がない、眠れない、食欲がない、身体がだるい、集中できない、考えられない、もう死んでしまいたいといったうつ病そっくりの症状を示します。
 
 それと、本来のうつ病とどこで違いを見つけるのでしょう。キッチリと区別ができなければ、処方の間違いを起こして、難治例となり、無駄な時が過ぎてしまいます。それには、その人の生育歴や、家族構成、家族内力動が非常に参考になります。特に無気力現象は父性の欠如から来ている場合が多いのです。家族をまとめ、人生の目的や価値観がいかに大切か、社会にはルールがある事を説くのは父親の役目なのです。
 
 それがなされない家庭では子供は自由放任となり、社会に出た時につぎつぎと押し寄せる問題を処理できなくなり、何をどうしたら良いのか分からなくなります。それがうつ病そっくりの引きこもりの適応障害です。またの名を抑うつ神経症と言います。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年01月28日 更新)

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